鍼のお話 その1

ゴールデンウィークも残りわずか。

 

関東地方は好天に恵まれ、連休をお過ごしのことと思います。



連休でお仕事がお休みの方も多くいらっしゃると思いますので、

今回は「鍼」の効果等について、ちょっと長めなお話をさせていただきます。



<歴史>

鍼は、奈良時代に漢方とともに日本に伝えられ、

江戸時代まで日本の医療として庶民にまで発達してきました。

しかし、西洋医学が導入された明治以降は、伝統医療である鍼灸は

古い医療のイメージが濃くなってしまいました。

 


 

<鍼って?西洋医学との違いは?>

病気に焦点を当てて治療していくのが西洋医学です。

これに対し、鍼灸をはじめとする東洋医学は、患者様の体全体を診て、

その不具合を調整し、自然治癒力を復活させ治療していきます。

(当院では、初診時に20分程お時間をかけて体全体の状態や既往歴などお伺いしているのは、

このためです。)

 

例えば、「食欲がない」「疲れて体がだるい」「肩が重い」などの症状は、

病院へ行くほどではないと我慢したり、病院の検査の結果異状なしで、

向精神薬などを投与するだけで、体の改善は見られない。

西洋医学では納得いく治療を受けられなかったとします。

 

一方、こうした自律神経失調症のような全身のトラブルに対して、

鍼治療は体全体のつらい症状を上手にコントロールすることができると言われています。



<鍼のイメージ>

よく患者様に「鍼は怖い」「痛い」「効くの?」と質問を受けます。

 

まず、当院の治療に使用する鍼は、非常に細い鍼で、すべて使い捨てのものを使用しているため

安全に施術を受けることができます。


 
太さは髪の毛の細さ程(太さ0.12㎜~0.18㎜ほど)です。

鍼管(↑写真、ブルーの細い管)という細い管に通して刺しますが、それを使わなければ

曲がってしまうほど細い鍼です。そのため、刺した時の痛みはほとんど感じません。

 

また、「円皮鍼」という鍼で、当院では「小さい鍼、刺してみますか?」と言われ、

使われてる方も多いと思います。

皮膚の表面に2日~3日刺したまま運動や日常生活ができる鍼もあります。

 

・・・・何本くらい打つの??

 

患部だけ部分的に打つこともできますが、患部だけではなく、頭の先から、首、背中、腰、足にある経絡を活用し、鍼刺激を施すことで、筋肉をほぐし、体全体の気の流れを整え、体の不調を改善していきます。

だいたい20本~30本打ち、20~30分くらいしばらく刺したままにします。



・・・・打った感じは?

 

全身の血流が良くなり、体が温かくなってきます。

半分以上の患者様が鍼を刺している間、眠っていらっしゃいます。

私も鍼治療中は毎回爆睡です。そして、鍼治療した夜は、幸せなほど、ぐっすり眠れます。



・・・・効くの??

 

効果には個人差がありますが、

早い方は治療後すぐに、痛みの軽減や体のスッキリ感を感じます。

大部分の方は治療の翌日に、同様の効果が見られます。

「翌日だるさが続いた」とおっしゃる方も。それは、血流が良くなっている証拠です。



ここまで書いて、ちょっとどころではなく、かなり長文になってしまいました。

すみません・・・・疲れてしまっていませんか?

 


 

まだまだ鍼のお話をさせていただきたいので、

続きは後日『鍼のお話 その2』でアップいたします。

 

次回は、さまざまな症状に対して鍼治療の効果があることと、当院の治療方針について

ご説明させていただく予定です。